当社は、板材からの抜き加工をパンチレーザー複合加工機で行っています。 この加工機は、タレットパンチプレス加工(通称タレパン加工)とレーザー加工を1台の機械で実施することができ、別々の機械で加工する場合に比べて大幅に効率が向上しています。 タレットパンチプレス加工とレーザー加工には、それぞれ次の特徴があります。 どちらの加工方法を使うかは、部品の形状、使用する材料、お客様の要望、コストなどを考慮して最適な方法を決定し、加工プログラムに設定します。 レーザー複合加工機は加工プログラムの内容に従って、自動で抜き加工を行います。 タレットパンチプレス加工 加工方法 汎用金型を使い、連続的に材料を打ち抜いて切断する方法です。 汎用金型は形状(丸型・角型・長角型・長丸型・異型等)やサイズが異なる物が約60個レーザー複合加工機に格納されています。 加工すべき形状と同じ形状の金型がなくても、その形状よりも小さな金型で何回か位置をずらして打ち抜きすることで(追い抜きと呼びます)、目的の形状に切断できます。 メリット 専用の金型を用意する必要がないため、すぐに加工に着手できコストも低く抑えられます。 加工機が正確に打ち抜く位置を制御するため、安定した加工精度 (±0,10mm程度)を確保できます。 デメリット 汎用金型を使って加工するため、直線の切断は問題なく対応出来るのですが、曲線や複雑な形状の切断には向いていません。 (切断形状の精度が低く、仕上げ加工が必要になります) 打ち抜き加工であるため、ダレ(切断面の上方の角にできる微細な丸み)やバリ(切断面の下方の角にできる微細な出っ張り)が発生し、バリ取り作業が必要となります。 レーザー加工 加工方法 レーザー光線という極めて細い光線(0,2mmから0.4mm程度)で切断面を溶融し、材料を切断します。溶融と同時に切断面に 高速のガスを吹き付けて溶融した金属が切断面に残らないようにしています。 メリット レーザー光線で部品の形状を一筆書きの要領でなぞって切断するため、曲線のような複雑な形状でも正確に切断できます。 加工機が正確に切断する形状を制御するため、安定した加工精度(±0,10mm程度)を確保できます。 溶融切断であるため、ダレやバリが非常に少なくなります。 デメリット 切断面をすべてなぞるため、タレパン加工と比べて時間がかかります。 レーザー光線を発生させるためのレーザーガスおよび切断面へ吹き付けるガスを使うため、その分のコストが発生します。